【アイルランドT】前走GⅠ組は10年で1勝のみ 3勝あげる"昇級組の関西馬"ハワイアンティアレに注目

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ポイントはマイル適性
昨年、アイルランドトロフィーは府中牝馬ステークスと別れ、独立したレースとなった。「アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス」と名称がくっついたのは2017年のことで、過去10年データに単体の府中牝馬S(2016年)が入るのは今年が最後になる。
データで予想する人間にとって、ちょっと紛らわしく、「アイルランドT」だけだと昨年の1レースしか検索できない。アイルランドT単独で過去10年分のデータが揃うのは2035年。そのころには、またレース施行条件が変わっているだろう。来年もJRAはスケジュールを大きく変える。大小さまざまな変化についていくのも競馬ならではだ。
さて昨年の第1回アイルランドTを勝ったラヴァンダは今年、中京記念を制し、重賞2勝目をあげた。舞台が東京芝1800mであり、エリザベス女王杯の前哨戦というより、どちらかというとマイルに適性がある馬が走る。あえてエリザベス女王杯に向かわなそうなスピード型を選ぶのも選択肢のひとつだろう。
ここからは2024年まで行われていた旧・府中牝馬Sを含めた過去10年分のデータを使用して今年のアイルランドTを展望する。

人気別では、1番人気【2-2-2-4】勝率20.0%、複勝率60.0%、2番人気【1-2-2-5】勝率10.0%、複勝率50.0%、4番人気【3-1-0-6】勝率30.0%、複勝率40.0%など上位人気は堅調だが偏りがない。上位人気拮抗の年が多く、人気馬の軸選びは迷うところ。これもGⅠの前哨戦であって実際は“そうではない”というレースの性格を示している。
大穴は10番人気以下【1-1-1-46】勝率2.0%、複勝率6.1%。高い確率で出現するとまではいえないが、なくはない。とはいえ、東京芝1800mという紛れる要素が少ないコースであり、伏兵も展開を味方にというより、盲点になるような実力馬を想定したい。

年齢別では4歳【6-6-7-46】勝率9.2%、複勝率29.2%、5歳【4-3-1-45】勝率7.5%、複勝率15.1%の2世代が強い。牝馬限定戦はこのように主力世代に絞られるケースが多い。6歳は【0-1-2-13】複勝率18.8%と出走数自体も少なく、サイクルが早い牝馬らしい傾向が出ている。
前走GⅠ組が断然ではない
今年のメンバーではヴィクトリアマイル2、3着カムニャック、クイーンズウォークが実績上位の存在だ。春の府中牝馬Sを勝ったセキトバイースト、2着ウイントワイライトは引き続き同じ舞台に出走するので強気になれるが、ハンデ戦から別定戦、GⅢからGⅡへと条件が変わるので注意は必要だ。

前走クラス別成績では前走国内GⅠ【1-1-5-18】勝率4.0%、複勝率28.0%は注意。GⅠ組はアタマをとりにくく、とはいえ3着馬の半数を占めるので、馬券には入れたい。ただ、人気を集める存在であり、その分、ほかの馬に単勝妙味が出てくる。
前走ヴィクトリアマイルは【0-0-4-16】複勝率20.0%。3、4着【0-0-3-0】、5着【0-0-0-2】、6~9着【0-0-0-6】、10着以下【0-0-1-7】なので、カムニャック、クイーンズウォークを3着以内の軸に据えるのは悪くない。どちらも東京実績は十分あり、かつマイルGⅠ好走馬でレースのイメージに近い。

前走GⅢ【4-5-5-58】勝率5.6%、複勝率19.4%は様々なレースからやってくるので、大まかに着順別の成績を出して検討する。基本は前走1着【1-0-1-3】勝率20.0%、複勝率40.0%、2着【2-1-1-10】勝率14.3%、複勝率28.6%と好走馬が中心。セキトバイースト、ウイントワイライト、前年覇者ラヴァンダが一致する。
一方で6~9着【1-2-3-13】勝率5.3%、複勝率31.6%も好走馬を送っており、ここが穴になるケースが多い。ルージュソリテール、チェルビアットも候補に残しておこう。

前走3勝クラス組は関東馬【0-2-0-5】複勝率28.6%、関西馬【3-0-0-9】勝率、複勝率25.0%で関西馬がより強気になれる。今年でいえば、ハワイアンティアレが面白い。前走豊橋Sを7番人気で逃げ切った。左回りに良績があり、舞台相性は悪くなく、マイルを得意としているのもプラスだ。スタートが安定してきた今なら先行して一発があってもいい。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。
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