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【CBC賞回顧】序盤で“下げる余裕”が生んだ好位抜け出し フロムダスクが前半32.4の激流を制す

6時間前
勝木淳
2026年CBC賞、レース結果,ⒸSPAIA

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昨年とは一転したハイペース

サマースプリントシリーズCBC賞はフロムダスクが制し、重賞初制覇。2着レイピア、3着レッドエヴァンスで決着した。

開幕して3週間、中京は雨がほぼなく、絶好の馬場状態を維持している。高速決着の中京となれば、先行勢はそうは止まらない。ましてCBC賞は逃げ切りや逃げ残りが目立つ重賞。昨年覇者インビンシブルパパに迷いはなかった。

一目散にハナに立ち、さらに後ろを離そうと速いラップを刻んでいく。前半600mは11.6-10.1-10.7、32.4。昨年は34.0と緩く、今年はかなり厳しい競馬になってしまった。

さらに4コーナー手前でも10.8と緩まず、むしろ逆に先行勢を引き離していった。この10.8がさらなるオーバーペースを呼んだ。直線は11.5-11.8。インビンシブルパパに体力は残されていなかった。

一方で、勝ったフロムダスクは内枠からスタートダッシュをきっちり決め、下げる形で3番手付近のインに収まった。周りは押しながら前を目指していたが、フロムダスクには下げる余裕があった。同じ好位勢でもフロムダスクが残れたのは序盤の入りが大きい。下げる余裕は抜群のスピードの裏づけがないと生じない。

必ずしも1200mで結果を残したわけではなく、どちらかというとマイル前後で出世してきた。スプリント適性はそこまでなかったが、2走前にブリンカーを装着し、スプリント戦を走ったことで陣営の感触が変わった。

前走の鞍馬Sは走破時計1:06.9の5着。このレース内容をみて森秀行厩舎はスプリント路線に舵を切った。機を見るに敏。チャンスを逃さない嗅覚のようなものを感じさせる厩舎だ。

鞍上の中井裕二騎手はこれがうれしい重賞初制覇となった。これまで重賞で2着になったのは16年シルクロードSローレルベローチェでの1回。19年キョウワゼノビアのCBC賞4着など短距離重賞で惜しい競馬があり、CBC賞勝利は納得だ。先行型に騎乗し、粘る競馬に定評がある騎手で、フロムダスクの序盤は中井裕二騎手の長所が集約されたといっていい。


外から伸びたレッドエヴァンス

2着レイピアは内枠からインに潜り込み、先行集団の背後をとった。ペースを考えれば、ドンピシャの位置取りで、直線も上手く内をさばいて出てきた。競馬の内容としては申し分ないが、結果は2馬身差の2着。重賞だとどうしてもワンパンチ足りない印象がある。

堅実さは武器である一方で、勝ちきれないというデメリットがある。もう少し後半で早めにエンジンをかけ、勝負に出るようになると変わるだろう。

3着レッドエヴァンスは直線で外に進路をとる際に何度か周囲と接触する場面があった。内の馬たちはスムーズだったが、外目は直線を向く際にゴチャついた。どちらかというと好位の後ろあたりに力点が置かれた競馬だったので、その影響もあったか。

内を抜けてきた4着プロトポロスにはハナ差先着しており、通ったコースを考えれば強い競馬だった。1400mのフリーウェイSを制しているが、本質はハイペースのスプリント戦。今回のようなハイペースのなか、好位の後ろ付近で流れに乗れたのは収穫があった。

1番人気ディアナザールは9着。序盤で流れに乗れず、後方からの競馬を余儀なくされたとなれば、大敗も仕方なし。今回は参考外の一戦といえる。17番人気4着プロトポロスは久々にらしさをみせた。芝ダート問わず中京で走る。特異なコース形態ゆえに、この手のコース巧者をつくりやすい競馬場だ。これはぜひ覚えておき、中京で狙い打ちしたい。


2026年CBC賞、レース回顧,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。

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